木材に存在しない色とその理由 ~狭いようで広い無着色の世界~

2026.02.03

『寄木雑貨工房 irodori』で製作している商品は、一切着色していません。
イベント出店でも、こう説明すると「えっ、色塗ってないんですか?」と驚かれることもよくあります。

今回は、そんな “木材の色” のお話です。

木材って、自然の中でも特に温かみがあって、見ているだけで落ち着く素材で、家具や床材、壁のパネルなんかにもよく使われています。
でも、よくよく考えてみると、木材には見かけない色ってあるんです。
たとえば、鮮やかな青や真っ赤な色、あるいは蛍光色みたいな派手な色。
なぜ木材にはそういった色が存在しないのでしょうか?

まず、木材の色がどこから来ているのかというと、主にリグニンやタンニン、フラボノイドといった成分によるものなんです。
これらの成分が木の種類によって異なるため、木材ごとに独特の色合いが出るんですね。
実際に、木材には多くの色があり、その色味を生かして商品を製作しています。
ただし、これらの成分が作り出せる色には限界があります。

特に青色は、植物全体でもかなりレアな色。
花でさえ、自然な青色を持つものは少ないんですね。これは、青色を作るためには特定の分子構造が必要で、それを安定して維持するのが難しいから。
木材の場合は、そもそもそういった色素を作る必要がないので、進化の過程で青色を持つようにはなっていないということです。

また、木材は時間とともに色が変化することもあります。
紫外線や空気中の酸素にさらされることで、色が濃くなったり、逆に褪せたりするんですね。
加工した直後から比べると、時間が経つと深みのある色に少しずつ変わっていったり。

もちろん、塗装や染色をすれば、木材にどんな色でもつけることはできます。
でも、それはあくまで人工的な加工で、元々の木材が持っている色ではないんですよね。

木材の自然な色には、制約があるように感じます。
でも、「えっ、こんな色の木があるの?」といった、子どもから大人まで聞かれる反応。
それは、木材に対するイメージや概念が変わる、木材の魅力が伝わる瞬間でもあると思います。
そして、寄木にすることで広がる、木の無限の組み合わせ。

『寄木雑貨工房 irodori』の商品は、アートというよりは、実用を意識した商品が多いです。
木製品に触れる日々の中で、木の新しい魅力を感じていただくことを目指しています。

そんな風に商品をご覧いただけますと幸いです。

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